総合研究所について
沿革
研究活動
1988年度:大学が政治経済学部の一学部一学科であり、「政治経済研究センター」「科学と教育研究センター」「語学研究センター」「日本・アングロアメリカ研究センター」「キリスト教と文化研究センター」の5つの研究センターで総合研究所が運営開始された。
1994年度:「日本・アングロアメリカ研究センター」が設けられたことに伴い、「日本研究室」と「英米研究室」が設置された。
1997年度:「政治経済研究センター」のもとに、地方分権、まちづくりを研究する「現代都市研究室」が設置された。
1998年度:「聖学院大学の理念」にあるプロテスタント・キリスト教神学を研究する「組織神学研究所(後にセンター)」を設立した。
2002年度:韓国の翰林大学校日本学研究所と共同で「日韓現代史研究センター」を設立し、朝鮮半島の民衆がどのような経験をし、戦後の国家像をどのように描いていたのかを調査・研究。また日韓現代史に関する重要資料の収集にあたった。
2003年度:「カウンセリング研究センター」を設置し、キリスト教カウンセリングの事例研究を開始した。
2004年度:児童学研究として「〈児童〉における「総合人間学」の試み研究」が開始された。
2005年度:元日本銀行総裁であられた速水優氏を全学教授に迎え、「国際金融研究室」を設置し、国際的な金融・経済、そして政治の動向を研究する活動をはじめた。(この研究室は速水教授の逝去に伴い、2009年に「速水記念国際金融研究センター」に拡大された。)
2006年度:研究センターの改編とともに、各研究センターに研究室を設置。教育研究センターの中に「科学教育研究室」、「キリスト教教育研究室」、「語学教育研究室」を、組織神学研究センターの中に「人間学研究室」「ドイツ神学研究室」、「英米神学研究室」を設置。また日本・アメリカ・ヨーロッパ研究センターには「ピューリタニズム研究室」(ピューリタン・アーカイヴでピュータン研究の文献資料を収集)、「アメリカ研究室」、「日本研究室」、「EU研究室」「英米文学研究室」が設けられた。政治経済研究センター「現代都市研究室」の名称を「地方自治研究室」に変更した。
2007年度:「教育研究センター」「組織神学研究センター」「日本・アメリカ・ヨーロッパ研究センター」「日韓現代史研究センター」「政治経済研究センター」「人間福祉学研究センター」「カウンセリング研究センター」の7つの研究センターに整理・統合された。
2008年度:カウンセリング研究センターに「スピリチュアルケア研究室」が設置された。
2009年度:「国際金融研究室」を発展的に解消し、速水優元日本銀行総裁を記念する「速水記念国際金融研究センター」を設置。2009年10月には、これまで断続的に研究されてきたラインホールド・ニーバーの神学と思想を現代社会における意義に焦点を合わせて研究するために「ラインホールド・ニーバー研究センター」が設置された。
2012年度:こども心理学科新設に伴い、こども心理学研究として「【子どもの人格形成と絵本】研究プロジェクト 子どもの育ちと絵本研究」や、昨今のアクティブ・ラーニングの必要性をいち早く取り込み、基礎総合教育研究として「アクティブ・ラーニング研究」が開始された。
2013年度:段階的に研究室名称からグループ名称に変更し、研究グループの整理が行われた。
2014年度: 2013年度をもって科学研究費補助金によるにラインホールド・ニーバー研究が終了したことに伴い、室名称が残っているのは、2014年度に名称変更した「人文科学研究室」と、既存の「スピリチュアルケア研究室」のみとなった。その他研究は室名称を持たず研究グループとし、「グローバリゼーション文化総合研究分野」「死生学・人間福祉・カウンセリング研究分野」「「その他研究分野」の3分野で11の研究を行った。
2015年度:人文科学研究をもとの名称に戻し、「ラインホールド・ニーバー研究(室)」として活動をした。そして「日本文化学研究(日本文化研究)」をグローバリゼーション文化総合研究分野に、その他研究分野に「税法研究(埼玉税法研究)」(大学院政治政策学科からの要望により設置)と「コンプライアンス研究(競争的資金獲得・コンプライアンス促進のための研究)」、をそれぞれ追加設置し、3分野・計14の研究グループで活動を行った。
2016年度:従来の研究「分野」を「センター」と改称し、諸研究活動の整理を行い、「文化総合研究センター」、「人間福祉総合センター」「教育総合研究センター」の3センター制となった。
これに伴い、これまで設置していた「ラインホールド・ニーバー研究センター」及び研究部門としての「カウンセリング研究センター」を閉じ、そこで行われていた研究活動は新センター傘下の研究会となった。あわせて「ラインホールド・ニーバー研究(室)」と「スピリチュアルケア研究(室)」の「室」名称を廃した。
また、旧「東日本大震災神学研究」は、社会倫理研究「いのちの神学研究」へ、旧「日本文化研究」は、日本文化研究「グローバリゼーションと日本文化研究」へそれぞれ名称の変更が行われた。
また、2008年度より継続している「韓国長老会神学大学校との学術交流による研究〈日韓神学者学術会議〉」は文化総合研究センター傘下の研究として位置づけられた。
これらの変更により、3研究センター、計15研究となった。
2018年度:学科改組を受けて、「人間福祉総合センター」は「心理福祉総合研究センター」と名称を変更し、休会となっていた「いのちの神学」と「臨床死生学研究」の2研究を終了とした。これにより、3研究センター、計13研究となった。
2019年度:人間福祉学研究に新たに「ソーシャルワーク研究」が追加された。既存の「福祉のこころ研究」と両輪の形で研究がなされていく予定である。また、「伝道研究」の復活、旧「こども心理学研究」が「子どものこころと絵本研究」として再出発するなど、各研究活動の見直しが図られた。
2020年度:第10回日韓神学シンポジウムは、11月13日(金)に聖学院大学にて開催予定であったが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、次年度へ延期された。各研究も研究会開催のオンラインへの切り替えや、延期、中止など対応をせまられた。「伝道研究」は、神学学術研究「組織神学研究」と統合され、神学学術研究「組織神学・伝道研究」となった。「カウンセリング研究」は「牧会心理学研究」に統合された。「スピリチュアルケア研究」は終了となり、「心理福祉学研究」が新設された。また、「総合研究所助成金制度」を新たに設け、研究企画2件の募集を行ったほか、プロジェクト研究が1件指定された。
2021年度:大学学長裁量経費の支援を受けて、文化総合研究センター内に「基礎自治体マネジメント研究」を設立し、政治経済学部と連携しつつ、「若手・中核人材育成マネジメント」(全10回)を実施した。また新たに2件の研究助成が採択され、計4件の助成研究が活動を行った。
2022年度:各研究の見直し・整備が行われ、「子どものこころと絵本研究」は文化総合研究センターへ移動、「心理福祉学研究」内に「人間福祉学研究」内の2つの分科会が統合・吸収されたほか、新たに分科会として「心理研究」が整備された。また、所内に研究推進委員会が設置されたことを受けて、「コンプライアンス研究」は活動を終了した。研究助成として2件が新たに採択され、これまで助成研究として活動していた4件のうち3件はプロジェクト研究へと移行した。なお、本年度より『Newsletter』は年1回発行となった。11月11日(金)には、延期されていた第10回日韓神学シンポジウムが開催され、これまでの歩みを振り返った。2023年2月、韓国・東国大学校移住多文化統合研究所と本総合研究所との研究交流協定が締結された。
2023年度:教育総合研究センターに「高大接続研究」が設置された。また、同センターの「アクティブ・ラーニング研究」は、1年の休止期間を経て終了となった。新たに2件の助成研究を採択。また助成研究1件がプロジェクト研究へ移行した。
補助活動事業
総合研究所は設立当初から「語学研修所」(Seigakuin Language Institute)を設立するなど、教育を補助する補助教育事業を展開している。
1991年には、研究成果を出版物で公開するために、「聖学院大学出版会」が設置された。
1994年に自治体職員の研修講座「自治体リーダー養成講座」(年1回集中講座)が開始され、10回を経た段階で評価と見直しがされた。そして2004年度から地方自治研究室のもとに、地方議会議員、また地方自治体職員の研修講座である「聖学院ポリシー・カレッジ」が設けられた。この講座は、2010年度で終了となった。
2004年度にはカウンセリング研究センターに心理相談「グリーフケア・ルーム」を設置した。2008年度にカウンセリング研究センターで「牧会支援に望むもの――牧会者と信徒のアンケート調査」を実施したが、牧会者が孤立し、相談する場所もないという現状があることが分かった。そこで2009年度から「牧会電話相談」(無料)をはじめた。また「牧会サマーセミナー」を開設し、牧会者の研修支援プログラムを提供することにした。
2008年度、人間福祉学研究センターのもとに「人間福祉スーパービジョンセンター」を設置し、福祉の現場で働く専門職の方々をスーパーバイズするプログラムとして、「個別」、「グループ」、「ピア」、の各スーパービジョンを実施し、現在に至っている。
2020年度末をもって、2004年度より活動していた心理相談「グリーフケア・ルーム」、2009年度から活動の「牧会電話相談」(無料)の2つが休室となった。
総合研究所と大学院
1996年には聖学院大学大学院「政治政策学研究科」が設置されたが、総合研究所はその当時は研究部門に位置づけられ、政治政策学研究科の研究活動を推進する役割を果たしてきた。いくつか例を挙げれば、「政治経済研究センター」では、大学院政治政策学研究科と共同で、埼玉県の重点施策を政策企画・実施・評価の観点から研究する科目として「埼玉地域政策研究」を開講している。講師は埼玉県の中堅幹部である。また2004年度から埼玉県の自治体職員、地方議会議員を対象にした「聖学院ポリシー・カレッジ」を大学院講座(「先端政策研究」の科目名)として開催している。
税理士志望の学生が多くいることから、「地方自治と税制」などの講演会、シンポジウムを共催している。
1999年度に「アメリカ・ヨーロッパ文化学研究科」が開設されたが、「日本・アメリカ・ヨーロッパ研究センター」では、この研究科と共同で、海外からF.W. グラーフ、Ch. シュヴェーベルなど著名な学者を招聰し、大学院授業・研究集会を開催している。また「言語文化研究」「ヨーロッパ統合の理念と実態研究」などが実施された。
2006年度には「人間福祉学研究科」が設置されたのに対応して、「人間福祉学研究センター」を立ち上げ、「福祉のこころ研究」「プライマリーケア政策研究」「人間福祉スーパービジョンセンター」の研究活動を進めている。
運営組織としては、大学院と総合研究所が教育と研究の両輪を担う一体の組織であるために、2000年度に大学院・総合研究所事務部が設置された。2008年度に大学学術支援部(大学院、研究支援課、図書館司書課)に事務組織の改編がなされ、大学院事務は学務部教務課に所属、総合研究所事務は学術支援部研究支援課が担当することになり、事務組織は別機関となった。2012年からは、研究支援課内にあった出版会部門を、新設の出版会事務課が担うようになった。この間、研究グループの新設、廃合等があり、2011年度と2014年度に総合研究所の活動を大きく見直している。また、2014年度は法人主導のもと、研究組織図、委員会組織も改めた。現在、総合研究所と大学院は別組織であるが、「聖学院大学の教員は、全員総合研究所の所員となる(総合研究所規程第7条)」ことから、過渡期である2014年度は総合研究所委員会と大学院構想委員会が「大学院構想・総合研究所委員会」(合同委員会)として運営されたが、2015年度は大学学長の交代などにより、再び大学院と離れ、それぞれ単独の委員会として開催されている。